ピラティスを始めて数ヶ月が経つのに、姿勢が変わった気がしない。あなただけではありません。
レッスン中に「背骨を伸ばして」「骨盤をニュートラルに」と言われるたびに、ぐっと力を入れて姿勢を作ろうとする。でも、その時間が終わると気づけばまた元に戻っている。「これで本当に変わるのだろうか」と、もやもやしたまま次のレッスンへ向かう——そんなループを繰り返している方もいるかもしれません。
姿勢を「作ろうとするほど続かない」理由と、「整える」という別の向き合い方について書いています。
姿勢を意識すると、なぜかへとへとになる

仕事中に「あ、背中が丸まってる」と気づいて、ぐっと背筋を伸ばす。数分もすると肩のあたりがじわじわと疲れてきて、気がつけばまた前に戻っている。
これ、あなたのせいではないと思います。
姿勢を「作る」とき、人は体のどこかに力を入れて形を維持しようとします。ぎゅっと固めて保つ感じです。その状態を長時間続けることは、筋肉にとってかなりの負担で、自然と疲れやすくなります。つまり、「いい姿勢を意識する」という行為そのものが、体を緊張させる引き金になっていることがあるのです。
デスクワークでもピラティスのレッスン中でも、「もっと背中を伸ばして」「肩甲骨を寄せて」という声かけに応えようとするほど、体がどこかでぎゅっと固まりやすい。力で作った姿勢は、力が抜けた瞬間に崩れます。それが「やっても変わらない」と感じる一因になっていることがあります。
「作る」と「整える」、体の感覚はこんなに違う
「作る」姿勢と「整える」姿勢。言葉は似ていますが、体の感覚はかなり違います。
「作る」は、外側から形を決めて、それを力で保つイメージです。背骨をまっすぐに、骨盤をこの角度に、とパーツを意識して動かす。意識が途切れれば崩れやすく、維持するためにエネルギーを使い続けることになります。
「整える」は、体の中心やバランスが自然に落ち着く状態を探すイメージです。力で固定するのではなく、重心や背骨の位置が安定しやすい場所を見つける。すっと力が抜けても崩れにくいのが、整った状態の特徴です。
ピラティスでよく言われる「インナーマッスルを鍛えて姿勢を支える」という考え方は、間違いではありません。ただ、鍛えることより先に「体のバランスの中心を感じられるか」という土台があると、同じ動きがより届きやすくなる方がいます。ピラティスの動きも、体の中心が整った状態から動き始めると、違う感覚になることがあります。
ピラティスを始めてから反り腰が気になりはじめた
「ピラティスを始めてから、むしろ反り腰が気になるようになった」という声があります。
これは、ニュートラルポジションや骨盤の位置を意識するレッスンが増えることで、自分の体に敏感になってくるためだと考えられます。以前は気にしていなかった背中の状態が、ある日急に「あれ、自分って反り腰なの?」と見えてくる。
反り腰は、骨盤の前傾と背骨のバランスが影響している状態です。ただ、「だから骨盤を後ろに倒せばいい」と修正を加えようとすると、今度は別の部分に余計な力が入ることがあります。骨盤だけを単独で動かそうとするより、立つときの体全体のバランスが整うほうが、反り腰の感じが楽になったという方がいます。
「治す」という発想より、「体のバランスが整うと、反り腰の感じが変わってくることがある」という方向で考えると、焦りが少し和らぐかもしれません。
力を抜いたら、背筋がふわっと伸びた気がした
体の整え方を変えてから、姿勢への感覚が変わったという事例があります。
ある方は、ピラティスを続けながらも「姿勢を意識するのがつらくなってきた」と話していました。意識するたびにどこかに力が入り、背中ではなく肩のあたりがこわばる。そのことをインストラクターに相談すると、「もう少し力を抜いて」と言われるけれど、どこをどう抜けばいいのかが分からない——という状態でした。
そこで取り組んでみたのが、立つという動作から体の使い方を見直すことでした。椅子から立ち上がる、ただそれだけの動作で体の重心がどこにあるかを感じる。ぐっと力を入れて立ち上がるのでなく、体の中心から自然に起き上がるような感覚です。
その方は、しばらく続けた後に「背筋を意識しなくても、なんとなく背中が伸びやすくなった気がする」と話していました。ピラティスのレッスン中でも、背骨のニュートラルポジションが前より感じやすくなったそうです。
すべての方に同じ変化があるとは言えません。ただ、「作ろうとするほどうまくいかない」と感じていた方に、この方向で変化を感じた事例があるのは確かです。
猫背についても同じことが言えます。「胸を張らなければ」と意識するほど肩や首に力が入りやすくなります。体の中心が落ち着くことで、背中がふわっと開いてくる感覚を経験した方もいます。
よくある質問
姿勢は整えられますか?
体のバランスや背骨の状態が変わると、姿勢が整えやすくなる方がいます。ただ、一度整えれば終わりというものではなく、日常の体の使い方とセットで考えるほうが続けやすいです。
何ヶ月続ければ変わりますか?
個人差があるため、具体的な期間は言えません。ただ、「姿勢を作ろうとする」から「体を整える」という向き合い方に変わると、感覚の変化に気づきやすくなる方がいます。月単位での変化を楽しむくらいの気持ちで取り組む方が、続きやすい印象があります。
猫背は整えやすくなりますか?
猫背は背骨全体のバランスが影響していることが多く、「猫背だけを直す」より「体全体のバランスが整う」ほうが変化を感じやすい方がいます。力で胸を張ろうとするより、体の中心が落ち着くことで、背中がふわっと開いてくる感覚を経験した方もいます。
姿勢改善に何がいちばん効きますか?
「何をするか」より「どう体を使うか」のほうが影響が大きいことがあります。ピラティスでも日常の動作でも、体のバランスの中心を感じながら動くことが、姿勢の変化につながりやすいようです。
姿勢が変わらないと感じているとき、「もっと頑張らなければ」より先に「整え方を変えてみる」という視点が合う方もいます。
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