ピラティスを続けているのに体が変わらない。その理由は「頑張り方」にあるかもしれない

"ピラティスを続けているのに体が変わらない。その理由は「頑張り方」にあるかもしれない" 効果・変化

変化を感じられないのは、あなたのせいじゃない

変化を感じられないのは、あなたのせいじゃない

レッスンが終わって着替えながら、なんとなくぼんやりした気持ちになることはありませんか。

汗はかいた。インストラクターの声に合わせて動いた。「フォームを意識して」「体幹を使って」と言われたとおり、ぎゅっと力を入れて、息を止めそうになりながらもついていった。それなのに、帰りの電車に乗るころには「今日も何か変わった感じがしない」という気持ちがじわっと残る。

そういう経験が続くと、「自分には向いていないのかも」「やり方が悪いのかも」と思い始める方は少なくありません。でも、続けても変化を感じにくいという状況には、あなたの努力不足とは別のところに理由があることがあります。

ピラティスをがんばって続けている。それ自体はとても大切なことです。ただ、「どう頑張るか」という部分に、少し見直せるところがあるかもしれません。

「動きを正しくやろう」とするほど体に力が入る

ピラティスのレッスン中に「もっと体幹を意識して」「フォームを崩さないで」と言われると、まず体がぎゅっと固まりませんか。

これはとても自然な反応です。「正しくやらなければ」と思ったとき、人の体は反射的に力んでしまいます。腕に力が入り、肩が上がり、呼吸が浅くなる。そうなると、動きを「こなすこと」に意識が向いてしまい、本来ピラティスが届かせたい筋肉には力が伝わりにくくなっていきます。

このとき体の中で起きていることを、もう少し具体的に見てみましょう。

たとえば、脚を持ち上げるエクササイズをするとき。正しくやろうとして全身に力が入ると、本来はお腹のインナーマッスルが働く場面で、太ももや腰の表側の筋肉が代わりに頑張り始めます。「インナーマッスルを鍛える」はずが、表面の筋肉が過剰に使われている状態です。これでは効果が出にくくなるのも、無理はありません。

フォームに集中すること自体は悪いことではありません。ただ、「正確にやろう」という意識が強すぎると、体がすくんでしまうことがある。そのことを知っておくだけでも、少し見え方が変わってきます。

力んだまま動き続けると、体の中で何が起きているか

力んだ状態で動き続けると、体はどうなるのでしょうか。

まず、呼吸が浅くなります。胸や肩に余分な力が入っていると、肋骨が自由に動きにくくなり、息が体の中心まで入っていかない感覚になります。ピラティスの呼吸を「難しい」「きつい」と感じる方の中には、呼吸そのものが難しいというより、体がすでに力んでいるために息が通りにくくなっているケースがあります。

次に、体幹が「使えている感覚」が出にくくなります。体幹は、ぎゅっと固めれば働くというものではありません。お腹を締めようと力んでいるとき、実は表面の筋肉で「固めている」だけで、深いところにあるインナーマッスルは動いていないことがあります。

そして、続ければ続けるほど「頑張っている感」だけが積み上がっていきます。動いているのに体への変化を感じにくい。そのもやもやが「向いていないかも」「週一じゃ少ないのかも」という方向へ気持ちを押していくことがあります。

力みは悪者ではありません。ただ、力みで耐えている状態が続くと、ピラティスの動きが体の必要なところに届きにくくなる、ということです。

(関連記事:呼吸について→ ピラティスの呼吸が難しい理由 / 体幹について→ ピラティスで体幹が入らない、軸がぶれるときに確認してほしいこと

体の使い方が整うと、同じ動きが違って感じる

「体の使い方を変えたことで、同じレッスンの感触が変わった」という方がいます。

あるとき、立ち上がる動作から体を整える練習をしてみたところ、ピラティスの動き中に「ここに効いている気がする」と感じるポイントが変わったと話してくれました。以前は「正しくやろう」と全身に力を入れていたのが、体がすっと落ち着いた状態からスタートできるようになると、余計な力みが減り、本来動かしたい部分が動かしやすくなった、と感じたそうです。

別の例では、ピラティスを何ヶ月やっても姿勢が変わらないと感じていた方が、立つ・座るという日常の動作の使い方に意識を向けてみたところ、体への感覚が変わったという方がいます。(姿勢と体の使い方についてはこちらの記事もご覧ください。)

これはピラティスをやめる、ということではありません。同じピラティスの動きを、より届きやすい体の状態でやる、という入口が別にある、ということです。

「もっと頑張れ」でも「フォームをもっと気をつけろ」でもなく、「体の使い方を整える」という方向に視点を移してみると、今まで気づかなかった感覚が出てくることがあります。

ピラティスを「こなす」から「感じる」に切り替えるとき

変化が出にくいと感じている方に多いのが、レッスンを「こなすもの」として受けている状態です。

インストラクターの声に合わせて動き、時間が来たら終わる。それ自体は悪いことではないのですが、「体がどう動いているか」を感じる余裕がないまま続いていると、体への届き方が変わりにくいことがあります。

「感じる」というのは、たとえばこんなことです。脚を持ち上げるエクササイズのとき、腰の奥がじわっと使われている感じがするか。それとも太ももの前がぱんと張っているだけか。呼吸を吸ったとき、肋骨のあたりがふわっと広がる感覚があるか。それとも胸だけが動いて下のほうは固まっているか。

これは「もっと集中しなければ」ということではありません。むしろ、力みが抜けたとき、自然とこういった感覚が出てくることがあります。力んで耐えている状態では、体の細かいサインが感じにくくなるからです。

「なんか今日は違った気がする」という感覚がレッスン後に少しでもあれば、それが変化のはじまりのサインかもしれません。

ここから試してみてほしいこと

「体が変わらない」という状況には、いくつかの切り口があります。

頻度が少ないのかもしれない、と悩んでいる方は、ピラティスは週一じゃ意味ない?という記事を読んでみてください。回数を増やす前に確かめてほしいことを整理しています。

向いていないのかもしれない、続かないかもしれない、と感じている方は、ピラティスが向いてなかった?続かなかった?という記事が参考になるかもしれません。「合わない=あなたのせい」ではない、という視点で書いています。

そして、体の使い方そのものを、もう少しシンプルな入口から体感してみたいという方は、下のリンクをご覧ください。ピラティスのレッスンより手前の、立つ・座るという動作から体を整える方法を体験できる機会があります。

体の使い方を体験してみたい方へ

よく聞かれること

ピラティスは本当に効果があるのですか?

効果の感じ方には個人差があります。ただ、「効果がない」と感じている方の中には、動きの方法ではなく体の使い方の状態が関係していることがあります。フォームや回数を増やす前に、力みが入っていないかを確かめてみることが、ひとつの手がかりになることがあります。

ピラティスは何ヶ月続ければ効果が出ますか?

「何ヶ月続ければ」という問いへの答えは、体の状態や動かし方によってかなり変わります。同じ期間続けても、体の使い方が整っている状態でやっているかどうかで、感じ方が違ってくることがあります。期間より先に、「今の体に動きが届いているか」という視点を持ってみると、継続の意味が変わってくることがあります。

マシンピラティスでも同じことが言えますか?

マシンを使うピラティスでも、「動きを正確にこなそうとして全身に力が入る」という状況は起きやすいです。マシンは補助があるぶん可動域が広がる反面、力みが抜けていない状態でもある程度動けてしまうため、体への変化を感じにくい場合があります。マシンか否かより、体の使い方の状態のほうが、効果に影響することがあります。

体の軸を作るとピラティスの効果がどう変わるのか、くわしくはピラティスで体の軸を作るメリットにまとめています。

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